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富山で東洋医学会発表
こんばんは、富山でこの土日に東洋医学会があり、症例報告をしてきました。
富山から帰ってきてすぐこのブログを書いています。
漢方と鍼灸の様々な発表が目白押しでした。
私たち鍼灸師はもちろん、医師、薬剤師に研究者など様々な立場の人が持論を展開するわけですから、
互いの論に賛同したり、けなしたり、無視したりと、忙しいものです。

どの分野でもそうかもしれませんが、共有される部分が有りつつも、ずっと統一されない部分が有るのですね。
しかし、大いに刺激になります。
学会の後は何となく治療がスムーズになる気がします。



 
季節の寒暖と症状
中川です。
ここのところ、いささか季節とずれた暑さ、と思ったら晩はとても寒かったりと、寒暖が安定していません。
脈診、問診から治療をする鍼灸院をしていますと、人は、気候の寒暖に思いの外、影響されるな~と実感します。
それも、暑さを強く感じますとか、汗が出ますではなく、腰が何となく重いとか、眠れないとか、全く関係ないような症状で出てきます。

前回の投稿で触れましたが、伝統的な鍼灸は、内因、外因といった病因論を診察に用います。
 ”外が熱いと喉が渇き、寒いとこごえる。季節の変化で体調も変化し、季節各々に特有の症状が表れる。”
・・このような自然と人との関係から、病気の原因を考えたものを外因(外傷)と言います。
 私たちにとって必要な自然が、過剰となった状態を外因とするわけです。
また、外の気候の激しさ、時期に合わない寒暖も有りますが、その人が消耗していれば、少しの気候の変化でも体調が変化してしまうことになります。

そういう眼で治療に当たりますので、患者さんを診る時も、必ず、その方の体力と、季節の寒暖を比較しています。
その上で、その方の体力が消耗したとする場合(=内傷 )と、季節の影響を受けたとする場合(=外傷 )に分けて治療をします。
外傷の治療をごく大雑把に言えば、寒さに影響されたなら、腰や足を温め、小便を出すことが中心となり、風の影響なら、上半身から軽く発汗させます。  ※風には、感冒なども含みますが、様々な空気の動きを指します。

そのように汗を出したり、小便を出す治療で、眠れないとか、腰が重い、などの症状がびっくりするほど改善することがよく有ります。
気候がいつもより激しかったり、時期外れの時は、要注意ですね。



 
鍼灸は診察が必須
こんばんは、
日曜は定例の基礎講座でした。
今回も講義用にレジュメを書きました。
鍼灸の病證学(びょうしょうがく:鍼灸の診断学です。)に関する内容で、「外傷」というテーマのレジュメです。

 中国や日本の伝統医学で言う「外傷」とは、外部の風や寒さ、暑さ、湿気などの自然環境が、病の原因となることを指します。
これと対になるのが、「内傷」(ないしょう)で、恐れや悲しみ、憂いなどの感情が過度になることや、加齢や過度の疲労が、病の原因になるとする概念です。
伝統的な鍼灸では、症状や脈状から、今の状態は内傷、外傷のいずれに起因するのかを診察し、治療を組み立てていきます。
 その一方で、この症状にはこの穴、といった診察の無い簡便法も有り、その方が好まれる風潮が有ります。しかし、このような方法では、効かない場合にどうすれば良いか解らなくなります。やはり、鍼灸には診察が必要です。

どのような枠組みで診察をしていくかが大事です。
見立てが無ければ、いかにすばらしい技術も、実は役に立たないのです。
 
神社で勉強会
ゴールデンウィークですね。
3日は第一日曜日ですので、変わりなく勉強会です。
しかし、今回は少し趣向を変えて、御所の近くの護王神社で勉強会でした。
本殿横の会場だったのですが、一日、落ち着いた雰囲気で勉強が出来ました。
さすがに歴史ある神社です。たまにドンドンと鳴る太鼓も、かえって気持ちを落ち着かせます。
神社内で、伝統医学の勉強と、鍼灸実技の研鑽はまったく良いものです。
娘の結生もだいたい静かでした(笑)。
 
勉強会
中川です。
4月から、本年度の基礎講座の始まりです。
午前は座学、午後は実技。午前の3講義では、レジュメのページ数が合計30ページを超えます。
みっちりです。鍼灸は、鍼灸のための診断学が必須です。ですから、漢文は当然読む必要がありますし、
さらに、蔵象(ぞうしょう=伝統医学の生理学)や、病証学(びょうしょうがく=診断の枠組み)を勉強します。
 
対して、鍼灸は実技だけ出来れば、触って痛いところに鍼でも何でもすれば良いという意見があります。
これは全くの誤解です。「鍼灸には診断など要らない」と言うようなものです。
 細い鍼やモグサだけで治療効果を出すには、たくさんの症状を纏め、鍼灸をすることでどの程度改善するかを判断する必要があります。
見立てがあってはじめて鍼の実技が活きてきます。





 
プロフィール

shinkyuunakagawa

Author:shinkyuunakagawa
京都府右京区西院の鍼灸院です。

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